HARUNOBUMURATA 25AW

“A DISTINGUISHED WOMEN MOTORISTES” エレガンスの操縦者

HARUNOBUMURATAは、先の春夏コレクションで彫家ブランクーシの思想を通じ、静的な美を探しました。

今季はその視点を拡張し、Dorothy Levtt の生き方に着想を得て、自由と速度がもたらすエレガンスとラグジュアリーの可能性を追い求めます。

繊細な手でマシンを操り、無機質なものを操ることで生まれるエレガンスの軌跡。

そのコントラストが生み出す緊張感に着目した、HARUNOBUMURATA 2025年秋冬コレクションです。

20世紀初頭、女性がハンドルを握ることすら稀であった時代に、レーシングドライバーとして未知の領域を切り開いた Levitt。

彼女の持つ優雅さと大胆さのコントラスト、その生き様に宿る緊張感の中に、HARUNOBUMURATAが追求するエレガンスの形を重ねます。

衣服は静止したものではなく、身体とともに変化するもの。その考えのもと、着用者の所作とともに生まれる速度の美学を視覚化し、動きによって軽やかに意味を変容させるドレーピングが今季のコレクションに輪郭を与えます

流れるシルエットに、ワークウェアの構造を取り入れたスタイリング。工業的なディテールや、オイルのような質感で表情を変える素材使い。

ウールやコットンボアの粗雑な重厚さと、プリーツやラミネート素材の滑らかさを対比させ、動きと静けさの間にある緊張感を引き出します。

また、Levittが「視点の切り替え」として提案した手鏡の発想から、切り取られた景色を閉じ込めたようなプリントを展開。

速度を纏うことで生まれる身体の解放を示唆しながら、時代の障壁を軽やかに超えるための装いへと昇華します。

所作が生み出す美しさと、意志によって形作られるシルエット。今季のコレクションが探るのは、その両者が交わる瞬間の輪郭です。

Levittの疾走する精神を宿しながら、衣服とふるまいの親密な関係の中に見つける本質的なエレガンスの再定義。

意志の宿った動きの中で研ぎ澄まされるスタイルを通して、強さと優雅さの共存を探ります。

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