“The secrets”
INSPIRATIONS”
「フェティコ」2025年春夏コレクションの出発点は、デザイナーの舟山瑛美がパリのビンテージショップで見つけた 1980年代のテーパードパンツとビスチェとの出合い。80年代のデザインに魅了される理由を、当時の雑誌や資料を集めて探っていきました。今季のミューズは、80年代に名を馳せたアメリカ人スーバーモデルで俳優のヴェロニカ・ウェブ(Veronica Webb)。現在より人種的多様性に乏しかった当時のファッションの世界で、アフリカ系アメリカ人として初めて大手化粧品の広告モデルとして起用され、ラグジュアリーブランドのランウェイを歩き、モード誌の表紙にも登場。舟山が敬愛するアズディン・アライア (Azzedine Alaia)のミューズの一人としても知られています。彼女の可愛らしく洗練された雰囲気、80年代のファッションの上品な着こなしが今季のクリエイションのヒントになりました。
もう一つのインスピレーション源が、舟山が80年代のムードをリサーチする中で見つけたピーター・グリーナウェイ(Peter Greenaway)監督による映画「Drowning by Numbers (邦題:数に溺れて)」(1988年)。イギリスのサフォーク州を舞台に、祖母、母、娘の3世代の女性たちがパートナーを溺死させる過程を描いたサスペンス作品。同作の淡くい空気感や、ミステリアスで/スタルジックな世界観、クラシカルなファッションの要素を、コレクションに色濃く反映しています。
また作を通して、舟山は”総密を持った女性の魅力について思いを巡らせました。「オープンマインドな人も素敵ですが、その人が明かしていない密にも興味をそそられます。雑誌の中でクールにポーズするモデル、映画に登場する秘密を抱えた女性たち。想像を膨らまして、女性の多面性や神秘的な美しさを表現してみたいと思いました」。80年代の力強い女性像と、自昼夢を見ているような掴みどころのないミステリアスな女性像が融合されたこのコレクションは、あなたの密かな魅力を引き出します。
ABOUT FETICO
Designer 舟山瑛美(Emi Funayama)
Brand Concept「The Figure: Feminine(その姿、女性的)」
フェティコ(FETICO)のインスピレーションは女性の造形美を強調する古典的なスタイルにあります。その美意識や身体観を独自の視点で再構築し、相反する要素を重ね合わせながらユニークで新しい女性の姿をデザインしています。フェティコのコレクションは日本国内の繊維産地や職人との取り組みで丁寧に生産されています。時を経て美しいビンテージウェアとして愛されるようなデザイン、物作りを心がけています。
@東京タワー STAR RISE STUDIO